─ 回想 ─
[その日も私は何時ものように店に品を収めに来ていた。
私が作る小物は雪の結晶をモチーフにしたものが多い為か、義兄達の仕入れも同じような柄が増えてきていて。
たまに、私が刺繍を施したりも出来るようなシンプルな布製品なども仕入れてくれるようになっていた。
その棚を見ながら義姉と他愛ない話をしていたら、ふと、先程から広くもない店内を何度も行ったり来たりしている>>14女性に気がついて。
義姉にお勧めを聞いてきたその顔があまりに困っているものだから、差し出がましいと思いつつ私も横から話しかけた]
あの…お勧めって、色々ありますけど。
ご自分でお使いになります?違う?
それなら贈りものですよね…どんな方にお贈りするのか軽く教えて頂けます?
[どれが良いか分からないという彼女に一つ一つ確認していくと、同じ表通りに店を構えている店主への贈り物と分かり。
どんな人かを知っている義姉が、これなら似合うだろうという品を幾つか出していって]