[>>13 自分と似た色をした金糸なのに、
彼の長い髪は自分よりもとても綺麗に思える。
さらりと揺れる髪が、視線の端にうつった。]
……… 共に生き延びた奴以外は、
ニコラス兄さんしか、知らない話だ。
[暗にそうであると肯定するような言葉。
誰にも話す事ができなかった。
あまり思い出したくなかったというのもあるが、
なにより、『信じない』者に笑われるのが、嫌だった。
友人の死を。人狼の犠牲になった村人達の死を。
疑心暗鬼の末に処刑された者達の死を。
そして、騒動を生き延びた、自分達を。
――それらを全て嘘だと笑われるなんて、我慢出来る筈が無い。]