[ 自らの足で歩くことすら許されず されるがままである事に恥を重ね 魔物の餌になり散った方が良いと 耳元で囁かれる声に体が強張る。 ほんの少しの躊躇いの後、口を開いた。 ] 加護など、要らない。 ぼくには、……私には主がおられる。[ たとえその姿が見えずとも。 御身の力が及ばぬ地の底だとしても 加護を拒んだ結果慰み者になろうとも 名乗ることすら拒む強情は 捉えられてなお、折れない。 それはまだ受肉を果たしていないという 唯一の救いがあったからだろう。 ]