[マーティンがどこまで気付いていたかは知らない。
次期船長であるドロシーに何か警告したかもしれない。
もしかしたら、数年経った段階で復讐心を失ってしまったから、気付かなかったかもしれない。
マーティンに触発されたから、復讐心を失ったのではない。
虫も殺せなかった少年が>>0:367、人を殺せるほど凶暴になった。
男の脳に巣くったガルーは、養父ですら気付かないほどゆっくりと、しかし確実に、宿主の人格を都合のいいように破壊していた。
復讐より破壊する快楽に溺れたのだ。
快楽に溺れたのが先か、気付いたのが先か。
男の与り知らぬところ。]