……マーティン・グリズリー、あんたの名、確りと覚えた。 後で改めて、挨拶させてもらうぜっ![今ここで打ちあっていても、この壁は抜けない。そして、自分がやるべき事は他にもある。だから、そのために、と。生じた隙を突くように一気に駆けだし、その場を離れた。今の打ち合いの間に、辺境伯の姿は遠くなっている。急がなくては、と。そんな思いに駆られつつ、青年は主君を探して戦場を駆けた。**]