― 宿の会議 ―
[宿に集まった大人は、どれほどいたか。
他に被害者がいないか、見回りに行った者も居たから、全員が集まったわけではないようだ。
話し合いは、話し合いと呼ぶには荒れていた。
怯える声、怒鳴る声、泣き声。
意見と共に入り混じり、まとまらない。
レジーナが居れば、一喝してくれたかもしれないが、生憎彼女は村の外へ出かけてしまっているようだった。>>1]
あー……皆さん、落ち着いて。
とりあえず……村から避難するのがいいでしょう。
念の為です。貴重品と必要最低限の物だけ持って、街まで降りましょう。馬を持っているなら、使った方が……、……、
[何とか出てきた意見を取りまとめれば、村から離れるという結論が導き出されて。ほとんどの村人は避難することとなった。]