神父 ジムゾン

[――実際の所、自分が何者であるかは、
知っている者が乗り合わせていることがあるかもしれない。

何せ顔が広いのだ。
宇宙船の探偵事務所で彼方此方を飛び回り、
星々を尋ね、旅をしている。
見習いとして乗船したのは五年くらい前のこと。
それ以降に出会った誰かと、
この船で顔を合わせるようなことも、
あったとしたら面白いのだけれど。

ここに乗り込んだのは、半分はその『仕事』のためだ。
いずれ公にすることもあるかもしれないけれど、
カフェの皿にぶちまけるのは、やや尚早というものだ。

乗り込んだ理由のもう半分は、
言わずと知れたゲームのテストプレイのため。
その二つの用事は、
根っこのところで繋がっていると踏んでいる。

――そんな内情はさておいて、]