[”神様はいつも、見ておられる”
……の、だそうだ
だから、良いことを成せ、悪いことはしてはいけない
そう、じーさんは事あるごとに俺に言い聞かせていた
村にある教会は、代々世襲制
――というか、自分の一族しかこんな糞つまんない
職業なんて就かないと、成人した今でも思っている
流行り病でぽっくり逝った両親と
己が成人したと同時にぽっくり逝ったじーさん
んで、身内は俺だけときたもんだ
必然、神父様の役割は己に回ってくるもので
こんなくたびれた教会
じーさんとの思い出が無ければ
じーさんが預かった、(当初は)可愛げのない
シスターでもいなければ
とっくの昔にほっぽり出して別の職についている]