― キサン・工房 ―
[金属を削る音は絶え間ない。
一時途切れることもあるが、それは短く、刃の状態を確認する時のみ。
作業の最中、ノックの音>>15を耳にすれば、研磨の手はようやく完全に動きを止めた。
ゆっくりと立ち上がり作業場を出て、売り場のカウンターに立つ]
よぅサシャ、出来てるぞ。
[覗いた顔を見てチャールズは口端に笑みを乗せ、棚に仕舞ってあった受注品を拾い上げた。
布に包まれたままカウンターへと置き、サシャの目の前で開いてやる]
注文通りに作りはしたが……問題無ぇか確かめてくれ。
[細工や持ちやすさ等、本人でなければ分からない部分もある。
微調整が必要であればその場で手を加えることも考えて、品物の確認を頼んだ]