人狼物語−薔薇の下国

168 グラムワーグ・サーガ


吟遊詩人 ソマリ

― ペンホールズ・クレイグモア騎士団長邸 ―

[ペンホールズの街壁にほど遠くないところに、石造りの質実剛健な屋敷がある。
 長き年月を経た石の表面は重々しくも、幾重にも取り囲む手入れされた蔦が、ここは今も人が住んでいる屋敷だと主張する。

 伝説の王に率いられた騎士団――クレイグモア騎士団の歴史は古い。
 同じ歴史を、騎士団の創立から続くクロイス家は見守り続けてきた]

[今この屋敷に住んでいるのは、クレイグモア騎士団長のローゼンハイム。
 冬に急に体調を崩し、春に団長の座を譲るという噂が立っている。

 そしてその長子のソマリアード。騎士団若手のホープであり、ホートン砦の守護隊長として魔物たちから騎士団領の人々の生活を守る守護者である。彼ならば若くして団長となるかもしれないし、副団長にワンクッションおいてその後――など、誰もが彼がこれからの担い手であると信じて疑わなかった。そして、長子の嫁のヴェルザンディ、孫のエリオット。まさに順風満帆である。

 それから――]

(16) 2014/03/26(Wed) 23:12:48

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