― 城へ至る獣道 ―[ 獣がつけただろう道は、足場が悪く、細くうねっている。 教会をほとんど出たことにない少女の身では、預けられた白馬がなければ、 きっと一行の足を酷く引っ張っていただろう。 さっきから軽口を叩く隊長に呼ばれ、>>15 空を見上げていた視線をやる。 ] ……なに。[ ユーリエが横乗りしている白馬は、おとなしく手綱に従う。 あまり鳴かないし、我儘も言わない、従順な馬だった。 ]