[部屋の中に入ることも出来ず入り口で、立ったままでいる生き残る二人がわたしを見つけることは容易いだろう。声を掛けられるか、足音を聞くか。彼らに気づいたのなら、振り返ってこう言おう。] 殺したのね。[意識せねば表情も変わらなくなった顔で口にした一言は思いの外冷たく聞こえた。その一方で思うこともあった。ヤコブを殺したのは果たして人狼だろうか?あの選択しか出来なかった、それでいいと思ったそんな自分こそが、──と。]*