― IF・酒盛りの後で(回想)>>13>>14 ―
[含んだ指を開放したのは、下衣に手を向かせた寸前だったか
弱々しく拒否を訴える青年の聲は此方へ掛かっているが
此方へ向けられたものでは無いように思えた。]
ん……
[寝台をきしりと鳴らし、破れた布下着ごとをずらす。
緊張に震えていた細い筋肉は緩みを触感で伝える。]
ううん。大丈夫、 …… 随分、酷く抱かれたんだね
[謝罪には短くそう返し。
刃物や釘で傷つけられた生傷だらけの足に眉を寄せた。
男は王子に暴力を受ける事が少なかった。
それは一重に「芸が達者」である恩恵のため。
青年は啼く事を「芸」と見初められているのだろう。
若い悲鳴は、王子の加虐心を一層煽るから]