[アデルやアリシアの時とは違い
錫色の背景の中、克明に視えるセルウィンの姿
俺は、トゥランタに住んでいた頃の子供の姿をしていた
セルウィンは子供の頃の俺にも手を差し伸べてくれた
人間も人狼も共存していたのだ
ガルーの凶暴化が起こらなければ
あんなことに、ならなければ
――やがて錫色は、セルウィンの姿と共に砕け散る。
人間にとっては狂った奴だと思われていたかもしれないが
俺は逆に、ほんの短い間でも君に希望を与えられたんだぞ?
だから、狂信者なんて言い方はしない。
せめて最期、俺がセルウィンに希望をを与えることが出来ていれば
良かったんだがな。]