人狼物語−薔薇の下国

297 吸血鬼の脱出ゲーム


碧眼 シルキー

[あ、拙い。

眼前に迫る腕を認識した時にはもう遅い。
アドレナリンが出ているのか、時間がコンマ単位でページを捲るようにゆっくりと進んで見えるが。その体は一切反応を許してくれない]

きゅ、

[小さく悲鳴のように啼いて、金糸雀は壁にたたきつけられた。
内臓に重圧がかかって潰れるような、なにか嫌な音を聞く。
それきり金糸雀の意識は薄れる。

スローモーションのようにふわりと地面に落ちれば。
小鳥の体の何処から落ちたものやら、

濃紫色の花が、金糸雀の傍らに献花のようにこぼれ落ちた。

時間が経ってすこしだけ萎れ、僅かに花弁に血痕が付いているものの。それは紛うことなく、杜若。]

(15) 2015/02/02(Mon) 23:48:48

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