― 記憶の書庫 ―
――――…
[自身に凭れかかっている温もりに意識を預けてしばらく眠っている間に、微睡みにさらわれない程度には力が戻ったようだ。
隣で眠る彼を起こさぬように、鞄を引き寄せ中身を確認する。]
……街にでも行きますかね?
[神力を稼ぐため>>1:581というのは勿論のこと……
自分が眠っている間に、どこかで何かに襲われたらしい彼の服はボロボロで、護身具さえも持っていない。
保存食はありはする、だが水筒やマントは一人分。
彼に温かい食事を口にさせたくても、この場所ではかなわない。書庫で火を起こすようなチャレンジ精神は、神の身であっても持ちあわせては居なかった。
まあ、すべては気持ちよさそうに眠る彼が起きてからの話になるのだけれど]