[カーディガン一枚分、寒さが骨身にしみる故に、肩に羽織っていただけの上着にきちんと袖を通して前を合せる。
寒い事は寒いけれど、耐えられない程の寒さでも無い。
遊ぶ様に、吐き出す息の白さを確かめながら>>灰色6兎の隣まで移動し]
…――やぁ。さっき吠えてたみたいな気がするんだけど、
何かトラブルかい?
[キラキラ眩いイルミネーションと、遠い夜景が生える暗闇の中では正しく彼の表情を窺い知る事はできなかったけれど、今は景色を愉しんで居る様に見える彼に対し、実のところそう心配している訳ではない。
故に後を追ってまで声を掛けたのは、ただの細やかな好奇心でしかなかった**]