[泣きじゃくるアイリを、優しく背中を叩くフレデリカ(>>13)。その優しさに、温もりに甘える様に、さらに背中にしがみ付くアイリ。今のアイリは何処にでもいる様な、弱い女の子でしかなかった。
やがて、フレデリカはアイリの身体を抱いたまま、今後の展望を話し始める。それに対して―]
……うん。わかった。
[アイリはNo、とは言えなかった。確かにフレデリカにも、そしてその家族にも迷惑がかかる。だが、この時のアイリはまだ本当の意味での危機感は持っていなかったのだ。
今まで出会った能力者が、周りの人間を襲う様なタイプがいなかったからである。だから、アイリはこうしてフレデリカの元で暮らせば…どうにかなると、そう思いたかったから…拒否をしなかったのである。]