[野営地の兵士らはざわついていた。
中にやや年齢の合わない者、雰囲気の違う者がいるのは義勇兵だろう。
直前まで訓練を受けていた司令官が負傷して帰って来たことに、心配や不安が窺えた]
ちっ……。
[彼らを見遣りつつ、聞かれないように舌打ちする。
彼らにとっては故郷を取り戻すための戦いだ。
しかしこの地に縁のないセルウィンからすれば、重要なのは任務で実績を残すことである。
海賊でなくゼファーを相手取るとなれば、それはより困難な仕事となるだろう]
易々と"勝ち抜ける"って訳にはいかないみてぇだな。
[溜息をつきながら、到着したばかりの司令官代理から、何らかの指示が下されるのを待った*]