[そうしてしばらくして、霧の中から陽光の輝きが『八幡』の甲板へと舞い降りてくる]
ディーク、どうだった。
[待ちかねたと言わんばかりに私は戻って来たディーク>>13へと声をかけた。
聞けば、怪しい船──「幽霊船」らしきものが霧の中に漂っていると言う]
霧の中に漂う「幽霊船」か…。
関係が全く無い、と言うことは無いだろう。
可能性があるならば、その船を調査するより他無いな。
調査隊を派遣しよう。
少数精鋭、志願者が居れば連れて行け。
…無茶だけはするなよ。
[危険は元より承知、なのだが。
私は最後の一言を、ディークの顔をじっと見詰めて告げる。
この男は傍で止める者が居なければ、場合によっては命を投げ出すきらいがあるからな。
ここしばらくはその気配もなりを潜めているようではあるが…*]