ある日、流浪の旅路でかつて大きな原石が発掘されたという今は寂れて忘れられた鉱山に行き着いた。
俺は一攫千金に賭けて、右足を引きずりながら薄暗い穴の中へと入った。
まるで奈落へ至るかのような洞穴、その鎖された闇の中で寝食さえも忘れて掘った。
そうしてある日、ついに見たことの無い美しき原石を掘り当てることが出来た。
これまで苦労をかけた可愛い妹を、胸を張って送り出すことができる――そう思って浮かれている俺は鉱山の管理者に背後から刺され、原石を奪われた。
鉱山の管理者はそのまま姿を眩まし、俺はたまたま通りかかった旅人に助けられて一命を取り留めた。
祈りを幾度なく捧げてきたけれど 結局、天の主は黙したまま……。
何となく幸せなときもあったけれど 結局…人生なんてロクなもんじゃねぇ……。