―パン屋→パメラ家―
……。
[常連客が帰り、自身も手早く食事を終えるとゆっくりと立ち上がる。
厨房戻ると、手慣れた様子で紙袋を取り出した。
ほうれん草とじゃがいも、ベーコンのキッシュ。
ホットビスケット。小さな小瓶にアップルバターを添える。
まだほんのり温かい。
崩れないように手早く詰め終えると、数軒隣の民家へ。
そろそろ根を詰め過ぎて、無理をしているのではないかと思ったから。
寝ているなら起こさない程度の音で、コンコンと扉を叩く。
もしかしたら不在だったかもしれない。
どちらにしろ返事を待たずに包みをドアの取っ手にかけて、踵を返した。*]