[せめて破壊を味わおうと、転がった飴を追い掛ければ。
バキリ…
靴裏から響く音。
踏みつけ、粉々に壊して去って行く。]
くくく……
[低い低い嗤い声が響く。
この人数だ。誰の耳に入ろうと気にしない。
気にも留めない。誰かの耳に入るとは思ってない。
警戒が薄れてきた男は嗤う。
砕けた飴玉が何を表すのか。
気付いた時点で自身へ疑いが向くかもとも考えずに去って行く。
――観察眼のある者が見れば、花片の上に僅か欠片が乗ってるので、事後に来たとわかるだろうが。
花弁に足跡が残っているから、誰か来たとわかるだろうが。
それに気付けるかどうか、見た者次第といったところか。**]