― 戦艦シュヴァルベ ―
[ 二度目の主砲斉射は、皇帝旗艦には届かず、代わりに後方の戦艦の主砲一基の動きを鈍らせたようだ。
左舷方向、即ち、ゲオルグが戦艦二隻の壁を破り、迫ろうとしている方向への砲撃が薄くなる。
そう認めたと同時に、撃ち返された砲弾が、頭を振って回避行動を続けるシュヴァルベの周囲の海に着弾し、大きな水柱を上げてまた船体を揺らした ]
『後方より敵巡洋艦3隻!』
...やはり追って来る、か。
[ 追ってきた巡洋艦が、ルートヴィヒ率いる第二艦隊であることを、男は疑わない ]
(...トーリア...)
[ 第二艦隊の押さえに回っていたはずのヴァイと、ヴァイスメーベが、どうなったのかは分からないが、残して来た命令>>5:397を守ってくれる事を祈るしか無かった ]