クレメンス、これは、一体……!?
[意識を押し殺した末、漸く第一声を放つ。
男の方は、昨日訝しんでいた――既に事切れているのか反応は無い。
そんな茶番はせずとも判る。オズワルドだ。
( 大丈夫――……まだ、大丈夫……っ……!
我を保てて……る…… )
何とか意識を持ち直すことに成功したのは、
流れている血が同族のものである故にだろう。
しかし、客観的には己の顔面が蒼白になっているのが
見て取れるだろう。]
[黙っていると意識が途切れそうだった。
オズワルドから目を背け、近くで倒れている女性――ヴィクトリアを抱え起こし様子を見る。]