[差し出された両手にはカスパルの望みが乗っているかのようだ。この場で彼を引き裂き喰らえば自分の望みも叶うのだろうか。それがカスパルの望みなのかもしれない。だけど、それでは答え合わせをできる相手がいない。だから、] それなら――私が狼の気持ちを知れる時まで、 ちゃんと守ってね。私の騎士様。[“私”の最期に向けられた懺悔を掬い上げ、掌の上に手を重ねた。今はまだ食べてあげない。答え合わせまで終わらせるその時までは。*]