― 回想 ―[互いの領分を侵さないという、暗黙の了解を保った旅>>1。 流石に長老扱いには拳骨を落とされたけど、そんなに痛くはなかったし、笑って謝れば済むことだった][――唯一困ったのは、身を清める時くらいか。 共に湯に浸かることになったなら布で胸下を覆い、『故郷ではこうやって入浴する』などと言って誤魔化した。 その故郷が実は同じ国だとは、その時は知らぬことだった]