……風か?
[カークは風が建物を揺らす音で目を覚ました。
そういえば風音以外にも玄関のほうで何やら物音があったような気がしないでもなかったが、夢か現実かよくわからないままであった。
アルコールも抜けておらず意識が濁りかけたまま立ち上がって便所へと足を運ぶ。]
うぅ……随分と寒いな。
[用を足して広間へ戻ると暖房を強める。
普通なら充分暖まる強さだったが、これだけ冷えているのは寒さが厳しいせいかそれとも酒のせいか、半ば覚醒していないカークはわからないでいた。
やがて暖房が効き始めると二つある仮眠室の片方へと入っていき、時計を確認し朝まではまだ時間があるのを見て安心してベッドへ潜り込んで、そのまま布団を被るようにして眠りについた。]