[世界が色を失ってしまったように感じた。
涙が枯れた後には只空を眺めているだけの日々が続いた。
二人の間に子供はいなかったので、喪が明ければ家人に支えられるままに実家に戻った。
心の傷が癒えたら新しい人を探せば良いと、そう言う母に]
私は、もう結婚はしません。
この身はナミュール国の為に捧げ、騎士として生きていきます。
あの人の愛し、守って来たこの国を守っていきたいのです。
[頑なに主張するフィオレンザは誰にも止める事は出来ず。
やがてフィオレンザは背中に当たるまで伸びていた髪を切り、騎士団へと戻った。
そうして、知識を得る為に幾人かの同僚と共に‘フィオン・ヴァイサネン’としてベルサリス学館に入った。**]