――……朝か。
[肌を刺す空気の冷たさに目を覚ました。
寝覚めは最悪で、何か夢を見ていたような気がしたものの、内容は全く思い出せなかった。
昨晩、シモンからレジーナの不在を告げられて>>0:316…ああ、そうだ。
ニコラスが帰ってきていると耳にもしたのだったか。
夕飯の前にオットーから受け取ったパンやらパイやらたらふく詰め込んでいたものだから、それほどの食欲は無かったけれど、それでも、通常と変わらない量を食べたのは、きっと作り手の手腕だろう。]
何なら一年中世話になりたいもんだねえ。
[さすがに本人へは言わないけれど。
大きく欠伸をすれば、扉を開いて階下へと降りる。
通りがかりの眠そうなゲルト>>0の背を気付けにと強めに叩けば驚いたようだった。
そのまま足を向けるのは厨房に。
目に付いた茶色い歪な芋で手早くスープを作れば、シモンは起きてきたか、どうだったか。
どちらにしろ、二人分を注いで、そう広くもないテーブルの上へと載せた。必要ならば、もう一度持って来ればいいだけの話。]**