人狼物語−薔薇の下国

389 ルー・ガルー戦記 8 〜海峡攻防戦〜


モルトガット皇帝  アレク トール

[潮風が前髪をくるりと絡めるように遊ぶ。
同時に、ルートヴィヒの”声”が囁いた。
すぐ傍らに息衝くかのようなその感触。]


 ”折衝は任せる。”


[軽く首筋を撫でて、ごく短い言葉でシコン領主との交渉と軍港の検分をルートヴィヒに託した。
自分はシコン湾の外で睨みを利かせ、ウルケル艦隊によって湾内に閉じ込められるのを防ぐ方針である。

交渉が決裂すれば、ルートヴィヒを敵中に孤立させることになりかねないが、心配はしていない。
ルートヴィヒの強かさは、二人の馴れ初めとなった事件で把握していた。
場数を踏んだ悪党と渡り合った少年に、さらなる経験が加わったら…推して知るべし。
彼の資質は、アレクトールにとって心地よい。

先日、ウルケルの首都カルボナードへ宣戦布告の文書を届けたのもルートヴィヒである。
その時は艦隊を率いていったのではなく、皇帝側近の職能集団”小鴉”の優秀なパイロットであるセルウィンに送らせたのだったが。
なかなか面白い邂逅があったと聞いている。**]

(14) 2015/11/02(Mon) 00:14:57

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