― 小屋までの道 ―[ぴん、と真っ直ぐな耳を揺らしながら歩く。音を聞き分けて、それを道しるべにし。目的地に向かっている。…筈、だった。 現実は。 見事に、迷っている。探せば、他にも同じ場所へと向かう兎もいるだろうに。それらについていくのも、誰かに助けを求めるというのも一度は考え自問自答。しかし、この負けず嫌いな兎の答え、 それだけは嫌だと。]