― 夢のなかで ―[海の天井から声が届く。手を伸ばせそうな程の距離に、―――] 姉さんっ[姉が居た。雲を蹴り上げてその手を掴もうと追いかけるけれども。あと一歩のところで、届かない。幾ら飛んでも跳ねても、空を掠めるだけで。否、掴んでいるのかもしれないが、その温度を感じることができない。] どうして……… あんなことを。 戦艦をぶつけるなんて…… 無茶苦茶だよ。[蹴り上げた雲が白い霧となって霧散していく。言葉は、そのまま霧のようになって青天井に溶けゆく。]