かくして、二年に及ぶ魔王の支配は終わり、 ジルヴァーナの大地に光が取り戻された。 荒廃した大地には魔の爪痕が残され、 同朋を失った人々の心もまだ深く傷ついている。 しかし、人々は決して立ち止まらなかった。 自分たちの力で国を取り戻したという誇り、 そして、常に先頭に立って彼らを導いた おおいなる希望《ひかり》が、心に強く宿っていたのだから。 ─── シェーンバルド王国年代記・巻3第4章