さて、と……
[クロイツが仮眠室から出てから身体を起こす。
大きく伸びをすれば、何とは無しに心地よい。
ベッド脇には先日飲み残した水が、半分凍り、半分溶けた状態で置いてある。
冷えたそれを喉へと流し込んだ。
ポケットへと手を差し入れれば、フランツから貰ったチョコレートが出てくる。
迷わずにそれを口へと入れた。
長らく物を食べず、また心地よく披露した脳にいつも以上に甘く甘く溶けてゆく。
無表情に近かった顔に本の少し乗る色。]
おかえりなさい、叔父様?
[薄い笑みで仮眠室へ戻るクロイツ>>12を迎える。]