[床に腰を下ろしたドロシーへタオルを渡す。>>11
椅子かベッドを勧めたかったが、床の方が血を拭き取るのは簡単なので、そのまま座っていてもらう。
問いかけに沈黙したドロシーは、ぽつりぽつりと言葉を紡ぐ。>>12
口を挟む事をなく聞き終えると、カスパルは腕を組んで壁にもたれかかった。]
前世で俺は、護りたかった唯一のもののために
その他のすべてを喰い散らかした。
力なんて要らなかったのに、
今も俺は狼化病に罹患して、弟妹を殺す夢を見る。
[弟妹が生きてくれれば良い。
それだけ、それだけが、カスパルが願える願いだ。]