― 『舞踏場』間近の路地 ―……。[半ばおぼろげな記憶を頼りに路地を走りながら彼女は水晶を思う。 こちらの言葉に言いよどんだ様子>>10は、その水晶とは対照的に脆く感じられて。 しばらく後、追いかけてきていたはずの足音は逆方向へと遠ざかって行く。]……先回り狙い、かな。[音に集中しながら、駆けて。 路地を抜けた先にシュテラが空けた亀裂が見えた。 駆けよれば、ぐ、と腕で亀裂を押しやりながら、彼女は身を潜らせた。]→ 『舞踏場』 ─