[何故それに気づいたのか、と言えば、大気に混じる覚えのある臭いを嗅ぎ取ったからだ。それはほんの数日前にも嗅いだばかりのーー]……血……?……!![見開いた赤目は廊下の奥、扉の薄く開かれた角の部屋を凝視する。ごくり、と喉を鳴らした]