[――寝付けなかったのか、点検か、見回りか。森の中の惨劇など知る由もなく、呑気にそんなことを考えながら部屋を出る。頭痛が取れ、頭が冴えているのとは反対にその勘は鈍り、どこか警戒も緩んでいたのだろう。気づけたはずの異変を見落としていたことに、そのときはまだ、気づいていなかった**]