[>>10しっかりとシモンの肩の横に両手をつき、 自らの体重を支えたものの、折れた膝は足の間にある。 それは気づかないが、とにかく起き上がろうと―― そこで此方を見上げる瞳が未だ涙で濡れているのに気付き。 退かせかけた腰は、微かに揺れただけでそのまま。 後ろで結った長い金糸が、振り子のように一度揺れた。] ……人狼のこと、 『ここ』に――ずっと溜め込んでいたのか?[暗に他の者には打ち明けていないのかと言に乗せ、 胸部の真ん中へと、そっと手を置いて尋ねる。 ひとりで?誰にも言えずに?]