[ならばいっそ捨てられるものは捨ててしまえればいいのに――と。
おのれの属性に対しそう思ったし]
わ、わたしも……ヴェルと同じだったらよかったのに。
[眸を潤ませてそう告げもした。
脳裏にはあらゆる願いをかなえてくれる存在のいいつたえが浮かんでいた。
行ければ、このどうにもならない願いもかなえてくれるのだろうか。
そう思ったゾフィヤの行動は早かった。
数日の後支度をしてこっそり家を出たのだが、
盛大に道に迷ったあげく夜の怖さに半泣きになりつつ帰還した。
両親にこっぴどく叱られたのは言うまでもない*]