断る。
[状況を理解していないのか、自分に高圧的に命じてくるメレディス。
いや、理解していないのではなく、理解したくないのだろう。
きつく睨みつけられる視線は涼し気な顔で受けるが、このままバタバタ暴れられては面倒だ。
かといって、枷を付けるのも面倒が過ぎる]
───動くな。
[眼鏡を外し、素顔をメレディスに晒す。
裸眼でその目を見つめれば、銀の色が瞳に満ちていき、相手の心の海を浸していく。
その瞬間、メレディスの抵抗の動きが収まった。
それとほぼ同時に自分の視覚も消え失せたのだが、それはこの状況ではあまり困らない。
暗闇の情事は普通であるし、相手が天使とはいえ手探りですることは同じだから。
ただ、彼の表情を逐一見ることができないのは残念ではあったけれど*]