[それ以上はこちらから話しかけることもなく、自身の銃を構える。カスパル自身は片手で撃つことは少ない。確実に敵を仕留める両手打ちで、二発を腹に。一発を頭部へと撃ち込んだ。硝煙の臭いは、夢の中の血の匂いをかき消してくれる。戦場で血の臭いを嗅いでも、不愉快でしかなかったのだが、夢では、甘くて蠱惑的ですらある。あれはカスパルの「記憶」なのだろう。振り払うように頭を振って、もう一度狙いを定める。]