― 回想/7年前 ―
[隠れ住んでいた村を離れてから9年間、生活を共にした一族を離れる、と決めたのは7年前。
母が亡くなり、一人きりになった時だった]
……うん。
でも、決めた事だし、それに。
[ようやく15歳になったばかりの少女の一人旅に懸念を示す声も多かった。
けれど]
ただ、護られているだけなのは嫌なんだ。
[この一言でそれらを全て跳ねのけた。
離れるのは、護るためでもある、と。
いつかの別れに告げられた言葉>>0:134は、その意の全てが伝えられなかった事もあり──否、伝えられていても変わらなかったやもしれないが、ともかく。
隠れ住んでいた頃にも重ねられていた、『それがお前のためだから』という言葉とも相まって、ただ庇護される事を拒む一因となっていたから]