― 遠い日のおはなし ―[夢を見た。ずっと昔の、まだ両親ともに元気だったあのころの。カレンの街からやってきた人は、小さな男の子を連れていた。父か母か、どちらかに話があってきたらしい。大人たちが難しい話をしている間、自然と子供どうしで過ごす時間が多くなった。自分はといえば、そのころには立派な悪戯坊主だった。街から来た、自分よりいくつか小さいそいつを散々連れまわし、やれ虫取りだ、やれ探検だと毎日真っ黒になって遊びまわったものだ。]