―0日目・AM11:00・エントランス―
ああ……よく言われる。
兄さ……兄は破天荒だし、あなたとはさぞ気が合ったと見える。
[その戸惑い>>11にも慣れている。付け加えれば性格や得意分野も似ていないものだから、告げなければ分からなかっただろう。結果的にはまず彼と会えて良かったと、軽く握った手を離して]
……そういえば名乗りもせず不躾に失礼した。
ヴェルナー。ヴェルナー・スムースコートだ。ヴェルでいい。その方が呼び分けにもなるだろう?
[知っているのが自分だけというのも不平等だ。軽い自己紹介と共に軽い目礼。親しみを滲ませる表情を盗み見ながら受付へと歩み寄っていき、必要事項の記入された書類を片手に首を傾げ]
別に兄の拳くらい避ければいいだろうに。
あなたなら可能だろう? あの兄が絶対に敵に回したくないとまで言うんだ。