あ…… っふ…[戦乱が、戦いの予感が風のように押し寄せてくる。魔の咆哮が、人のどよめきが川を渡り野に響いている。それら全てに興味ないと言わんばかり、男は戦場に似つかわしくない欠伸を一つ、大きく吐いた。]まったく、お前は「遊び」が好きだねえ。[傍らの声>>12に返るのは、のんびりとした声。欠伸のかけらを残したまま、男は僕へ向け顎を引いた。忠実なる僕たる彼女の首元には、黒い魔石の嵌め込まれた首飾り──首輪がある。7年前から嵌められた、服従の枷だ。]