人狼物語−薔薇の下国

420 グロリアス・マギカ・グラマーティオ-スブ・ロサIII


富豪の娘 ドロシー

「そうか……。

 なら、中学は女子校へ進むかい?
 例えばこの学校なら、生徒だけでなく教員も校長も全員が女性だ。
 受験までもう間もないが、詩奈の学力なら問題なく合格できるだろう。
 混んでる電車で痴れ者の心配をするのが嫌なら、家政婦に車で送り迎えを……」

「あなた!
 ……私や詩奈へ、実の家族同然に接してくれる事は嬉しく思っています。
 ですが、いくら何でも甘やかしすぎです!」

「同然ではない、家族なんだ。
 それに、甘やかしたつもりはないよ。
 普段、我儘の一つも言わない詩奈が、攻撃的になるほどのストレスを抱えている……
 その要因を、私は除去してあげたいんだ。
 親として、できる事はしたいからね。」

[詩奈の向かいのソファで、母は呆れ顔を、“父”は笑みを詩奈へ向ける。
 けれど詩奈はどちらとも視線を合わせる事はなく、“父”がぽんぽんと優しく頭へ手を置いても、物言わぬ人形のようにただじっと俯いていた。]

(13) 2016/03/30(Wed) 00:11:46

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