[ヴィクトリアは当然のように病院船へと運び込まれ、応急処置が施される。
右足の骨折には添え木が当てられ、左脇腹の刺し傷は圧迫止血でこれ以上の出血を抑えた。
腹部の打撲に関してはその場で診断しきれず、ひとまず置かれることになる]
[出血しての蒼白な顔色に、ヴィクトリアを運んだ年若い乗員が不安げにしているのを、病院船の医師が大丈夫だと宥めていた。
重傷ではあるが、治療可能な範囲ではあるのだ]
[戦後処理はどのような形に収まったか。
その行く末など露知らず、意識を落としていたヴィクトリアが幼馴染の願いを受けて意識を取り戻したのは、戦闘停止後1日半を経過した後のことだった*]