俺の体力も魔力も、随分と消耗した。
―――…しかし、敵方は、未だ城主を筆頭に強き者が残る。
[背中を壁に預けながら、剣握る身は、既に平衡感覚すら危うい。
聖将と謳われようと、素体が人間である以上、限界が存在する。]
出来るだけ戦力は削るが、最早足手まといと言って良い。
――――だから、
[見やるは、幼子二人。
結界を護り、神に祝われ、運命を託されし子等。]
……二人で、救いなさい。
未来を切り開くのはいつも、君らの世代と相場は決まっている。
[不敵に口角を引き上げれば、満身創痍の聖将が笑む。]